ドクターヘリの必要性について
緊急を要するときは救急車、というのが日本での一般的な考え方です。
しかし、いざ救急患者が出て救急車を要請してもなかなか来てくれないという状況があります。
本来は救急車を呼ぶほどの容態でもない人がタクシー代わりに救急車を利用し、実際急を要する患者さんのところへなかなかこれなかったという現実があります。
また、緊急を要する容態で救急車を呼んだものの、受け入れてくれる病院が見付からず、病院をたらいまわしにされた上に死亡してしまったという悲しい事件も多くあります。
こういった状況を少しでも減らし、急を要する患者さんを少しでも救おうと考えられたのがドクターヘリです。
救急車には救急隊員が乗り、応急処置を行いますが、転院の場合以外は救急隊員のみで応急処置を施すことになるため、必要な医療行為などが行えず、容態が悪化してしまう場合もあります。
しかし、ドクターヘリであれば医師とフライトナースが同乗しますので、必要とあれば搬送中にでも医療行為を行うことができます。
また、ドクターヘリであれば救命救急センターのある病院であればどこでも受け入れが可能で、必要であればドクターヘリに乗っていた医師とフライトナースがそのままその病院でしばらく対応することができるので、受け入れ先の病院にとっても安心できます。
さらに、近年は大きな災害や事故などによって、救急車が立ち入りできないような場所に急を要する患者さんがいる場合も増えてきています。
救急車は道を寸断されてしまえば身動きが取れませんが、ドクターヘリであればヘリをとめる場所さえあれば患者を搬送することができます。
最短ルートで搬送できるため、早く搬送できるのも魅力です。
ドクターヘリには医師やフライトナースなどが同乗しているため、搬送直後から患者さんに対しての医療行為が行えることから、多くの命がドクターヘリによって救われるようになりました。